メリジャパン設立の背景
メリジャパン設立の芽は、約20年前ひとりの整形外科医がアメリカのテネシー州を訪れたときに生まれました。そこには当時日本には存在しない医療への考え方がありました。ひとつは、患者のQOL(Quality Of Life/生活の質)の向上を目指し、身体への負担を限りなく少なくするということ。もうひとつは、高度化した医療技術を安全に普及させるシステムがあるということ。このふたつが両輪となって進化することで真によりよい医療が実現する。この気づきをその医師が日本に持ち帰ったことがメリジャパンの第一歩となりました。
1人の医師が100人の患者を救うより、100人の医師が10,000人の患者を救う。このシンプルな考えに医師が、弁護士が、そして一般市民が共感し、2006年9月に任意団体メリジャパンを設立し、2007年1月にNPO法人(特定非営利活動法人)の認証を取得しました。
メリジャパンの活動
医学は実践と経験の学問。そのための環境整備が必要です。
患者の身体への負担をできるだけ少なくする手術は、傷口も小さく出血量も少ないため早期社会復帰も可能となり、患者にとっては非常に有用なものです。しかし外科医にとっては、小さな傷口のため術野が見づらく、特殊な器械を使うことなどから大変難易度の高い技術を求められます。また、その高度な手術手技を習得するには「ラーニングカーブ」の存在があり、ある程度の経験を積み重ねていかなくてはなりません。
手術は「神の手」で行われるものではなく「人の手」で行われるものです。
私たちは、日本の医療の質と安全性の向上を目指し、以下の活動をしています。
MIS人工股関節手術のラーニングカーブ
平川和男 第15回日本最小侵襲整形外科学会 2009年10月25日
手術時間の短縮と合併症の減少に効果
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一般市民を対象とする
公開講座・シンポジウム
の企画・開催 -
大学または学会が主催する
セミナー・トレーニング
の委託業務 -
医療従事者を対象とした
医療技術トレーニング
の企画・運営
献体での手術手技トレーニング(サージカルトレーニング)
外科医が手術手技を習得する方法はさまざまですが、多くは実際の手術にて指導を受けるOJT(on the job training)にて行われています。それはつまり、実質的には患者さんが練習台になるということであり、経験不足から医療ミス、医療事故につながる恐れがあります。
日本では、献体での手術手技実習(サージカルトレーニング)が認められていませんでしたが、2012年に日本外科学会と日本解剖学会が「臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドライン」を公表したことにより、大学医学部でのサージカルトレーニングが可能となりました。
サージカルトレーニングを実施する大学医学部は年々増加しており、整形外科・消化器外科をはじめ多くの科にて実習が行われています。
また、サージカルトレーニングにより、手術手技の向上だけでなく、日本人の体型に会った医療機器の開発や、日本人特有の疾患に対する治療法の確立も期待できます。
私たちは名古屋市立大学より運営委託を受け、名古屋市立大学先端医療技術イノベーションセンターでのサージカルトレーニングの運営を行っています。
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セミナーに参加した医師の声
- ・非常に有益性が高いセミナーと感じた。
- ・セミナーに参加して自身の手術スキルがアップしたと感じた。
- ・新しい手術の前にはトレーニングが必要です。
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公開講座またはシンポジウム等を開催
サージカルトレーニングへのご理解を求めて
最新の医療及び医療技術などに関する情報を、より多くのみなさまに伝えるため、公開講座またはシンポジウム等を開催しています。
ニュースレター
メリジャパンの今までの活動をご紹介します。